小野マトペの業務日誌(アニメ制作してない篇)

はてなダイアリーの閉鎖をうけ、旧ブログ http://d.hatena.ne.jp/ono_matope/ から移行しました。続きは→ http://matope.hatenablog.com/

日経BP記者が匿名マルチポストでリサーチ掛けている件について。

ono_matope2005-11-16

あるいはブログ・ミニメディア時代におけるマス媒体のリサーチのあり方について。
ええ、昨日、日経ビジネス11月号特集『変だぞニッポン 虚妄の大学発ベンチャー/民営化時代のタックスイーター』についてのエントリーを書いたんですよ。この記事、はっきり言って僕は嫌いです。昨日も書いたように、数字や仕組み、各省庁の争いがベンチャー行政を推進している構図なんかは勉強になるんだけど、勢い全てのベンチャーが無駄であるかのような書き方、主観の取り方に腹が立つ。例えば27歳にしてジャガーを乗り回すベンチャー青年の事例記事では、本文は事実関係を客観的に記した、中立的な語り口なのに、それにつく見出しは『税金で起業した青年社長』『総額4億3000万円の税金投入』『販売補助金まで国におねだり』。ネチネチと嫌な感じ。せめて本文と見出しの論調は一致させてくださいよ。っていうか俺にはプレゼンの上手いただの実業家にしか見えないし、27歳がどんな車に乗ろうと構わんと思う。締めの

「誰でも使える制度を利用しているだけです」と黒川は言う。それは事実だ。ただし、国費でベンチャーと社長が増幅していく。これも事実だ。

だって、国費でベンチャーと社長を増やす計画なんだから当たり前なんじゃねーの?と。企業のなかなか出来ない研究をしたり、ハイリスクなまさにアドベンチャー的な開発ができるとか、そういったベンチャーの目的やいい面を無視して、ただ税金の無駄遣いというイメージを植えつけようとしているように見えて仕方がない。大体、大学発ベンチャーといったって色々あって、国の補助金頼りのものばかりではなくて、大企業からの投資で運営しているベンチャーも俺は知ってるし。そこら辺を全部無視して悪印象を植え付けてる印象。
俺としては、文科省経産省補助金出すんじゃなくて、企業なり各省庁なり、技術移転先が金を出すのが本当だと思うけどね。アメリカだってペンタゴンIBMが大学のスポンサーやってるんだし。……といったエントリーを昨日書いたら、Rさんという方よりコメントを頂戴いたしまして、喜んでいたら

R 『大学発ベンチャーってそんなにダメですか?』

ん?ダメ…?俺そんな事言ったっけな、意味の取れないコメントだなあと思って、何気なくカウンターを見てみると、なんとIPがnikkeibp.co.jp。アヒャ!中の人から意見を伺われてしまった!さすが日経BP、ネットリサーチに積極的だなあ、でもこのコメントはよく分らない、ディスコミュニケーションだなあ、なんて思いながらアクセス元のブログ検索を見ていたら…、
アレ?この人同じコメントいっぱい貼り付けてるぞ…?

入れ歯ブログさんではRSと名乗ってるけどRさんと同じでしょう。まあ別に誰が何しようと構わないんだけどさ、一応日経BPってしっかりした看板(IP)しょってるんだから(背負っていなくても)、人間スクリプトみたいなマルチポストはやめた方が心象いいと思うよ?…などと思いつつ日経の記事を読み直していたところ、扉ページで目が止まった。記者名『杉山俊幸/坂田亮太郎』とある。坂田亮太郎…。R…S…。R…。
本人じゃん!!何やってんですか日経BPの坂田さん!その、なんだろう。こっちもハンドルネームなので匿名が悪いとか言うつもりはないけど…、なんかその道義的にその…せこいよ!『特集記者本人が』、『一般人を装って』、『エントリの文脈を無視した』『全く同一文のコメントを』『複数のブログに送りつける』のはちょっとジャーナリストとしてどうかと思います。しかも坂田さん、日経BPの方では…

特集では政府頼みの産学連携の限界をまとめました。異論や反論があれば、ぜひ実名で編集部にお寄せください。
起業大国を目指す日本の実態

…過去に何か嫌なことがあったんでしょうか。残念ながら実名ではありませんが、僕の異論反論は上に書かせて頂きました。お粗末さまです。…とここまで書いてちょっと大人気なかったかとも思うのだけど、最初から『日経BP』あるいは『坂田亮太郎』を名乗ってコメントを頂ければ、誠意を持って対応するつもりではあったんですよ。僕だって人のIPアドレスブッコ抜いて騒ぎたてるなんて気分のいいもんじゃないし。最初に携帯からコメントを確認したときは、帰ったらきちんと調べてきちんとした応答を返さなきゃなと思ったことをここに記しておきます。どうでもいい事ではありますが。