小野マトペの業務日誌(アニメ制作してない篇)

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今日は呪怨がつまらなかったという話をしたいと思います。

したいと思ったんですが、その原因はメモまで取って演出技法を盗んでやろうと血眼で画面に喰らいついていた自分の鑑賞態度にあるのではとたった今思い至り、「もしかして素直に観てれば面白かったのでは?」と悩んでいるところです。いや元々俺、他人の顔のアイデンティファイ能力が明らかに劣っている上に論理回路も上等じゃないもので、(あ、記憶力もないな)ちょっと人がいっぱい出てくるドラマとか映画とか、駄目なんですよ。白状すると。まず画面に出ている人が新キャラなのかさっきまで出てた人かわかんなくなって、その状態で20分も経過すると完全に置いてかれている寸法です。ラスト、家族は「あのお化けはこの人だったのかー!」と納得してるんだけども。画面もその人とお化けを交互に映して「同じ人だよ」っていってるんだけども。どう頑張っても同一人物に見えませんでした。無理です。よってストーリーは全然分かってません。
そんな感じで終盤まったく怖くなかった事はストーリーに乗れなかった事に由来するとして、しかし中盤までは決して置いてきぼりだった訳ではないのでその限りでは正当な評価が下せるとおもうのだけれども、いや、正直腹立つくらい怖くなかったなあ。なんつーか一つ一つのビックリポイントが、全部表層的なもので、全く蓄積されない印象。「こんな感じのカットって怖いんじゃない?」て思いついたシーンをなんとなく繋げているだけのような。そもそも最初のお化けが出てくるのが異常に早かった時点で嫌な予感はしていたんだよな。ホラー映画ってもっと、観客がバッチリ主人公に視点を置いてから、次第に絶望的な状況に持っていくもんじゃないのかと。玄関開けて家に入ったらいきなり刷りガラスの向こうから手がガリガリしてた!で怖い訳ねえもん。あと観客を安心させてから怖がらせるとか、そういう心理操作があってのホラーじゃないのかと。呪怨はとにかく怖がらせてやる!ってテグスネ引いてる感じがするよ。その点でハリウッド的かなーとか。以上、相当期待して観た分の吐き出し終了。ストーリー分かんなかったくせに不満撒き散らしてすいません。あと、だれか呪怨の面白さを解説してください。
とホラー映画全然観てないくせに毒吐くのもアレなんで、井筒監督がマジで怖がったというエクソシストとか、シャイニングとか今度借りてこよう。TSUTAYAで。
追記:演出メモ:最初に屋敷に主人公が入っていったときに、軒先で青いジョウロを蹴とばしてしまうさりげない演技がはいるんだけど、そこは演出論的に結構重要なのかなー?と思って観てた。ふとした働きかけで状況がはじけ飛んでしまう危うさとか、そんな暗示?