小野マトペの業務日誌(アニメ制作してない篇)

はてなダイアリーの閉鎖をうけ、旧ブログ http://d.hatena.ne.jp/ono_matope/ から移行しました。続きは→ http://matope.hatenablog.com/

『電脳コイル #1メガネの子供たち』の重箱のスミズミ。

さて、ついに発表から半年、ついに『電脳コイル』の第一話の放送が開始されました。演出的にはTVシリーズの導入としてこれ以上無く真っ当ですね。『ジブリっぽい』っていう感想も、選曲とか考えるとある程度狙ってるのかな。でもそんな正攻法の一方、実はもの凄い情報量を讃えた画面な気がします。
と言う訳でこれからの展開が待ちきれないので、第一話の演出要素の中から、読み取れる情報を読めるだけ読んでみたいと思います。あの、昔VHS版のエヴァに『重箱のスミ』っていう、カットごとにマニアックな解説を加えていくコーナーがあったんだけど、そんな感じで。
(注・展開予想が含まれます。少なすぎる情報といい加減な予測に基づいて犯人当てのような事もしてますのでそういうのが苦手な方は以下略)

金沢市はざま

これはオープニングのファーストカットなんだけど、その重要なカットのマンホールには『金沢市はざま』と印字されている。金沢と言う事は、たぶん優子の地元。その金沢の地面から電脳物質が発生しカット外へ滑り出すこのカットは、すべての始まりがそこにあるかのような予感を持たせますね。ちなみに、金沢市はざま、という地名は実在しませんが、いかにもいいですよね、『はざま』。

ネコ泥棒


冒頭、何やらイサコがネコを囮のように使っているシーンがありますが、このネコ、よく見るとヘップバーンですね。この2カットだけでそれが(よく見れば)分かるようになっていました。ヘップバーンをさらったのはイサコのようです。とするとこの右のカット、イサコと背後のネコのチラシが語っているのは、『他のネコたちも同じようにイサコがさらった』ですね。悪いやっちゃ。

大黒ふれ愛商店


序盤、優子が降り立った大黒駅駅前の風景。この、商店街のマスコットがすごく気になって何かとおもったんですが、これ、初期に発表されたイメージイラストに出てきたクジラじゃないだろうか。

これこれ。今後重要なキャラクターになるのでは?

空間リニューアル

なんと電柱のポスターにサッチーが。また読みにくいけど、ポスターの左下に『大黒市空間管理室』と読める。てことはサッチー&Qちゃんは大黒市の備品ってことですね。

大黒市階段伝説

フミエダイチヘップバーンを追いかけ回すシーンに何気なく登場するこの看板。よく見ると、左の画像には『大黒市??めぐり』『大黒市階段伝説』と見出しが読めます。

右の画像では

この大黒市??には古くから伝わる伝説があり…
点在する大黒式階段(?)をあるルートで巡ると、??…
…が約束されると伝えられ、この階段を上…
全国から多くの人々が集まったといわれていま…

おお、これは物語の重要なヒントが書かれてる!そしてこれでオープニングの謎が少し解けた。

最初に観た時から、この階段の反復運動が気になっていて、それはいわゆる演出上の上下運動の一つだと捉えていたんだけど、どうやらあれは大黒市階段伝説に基づく階段巡りだったらしい。そしてここから分かるもっとも神秘的なポイントは、この大黒市のハイテクインフラが古代の儀式と何らかの繋がりを持っているという点。いやぁ、壮大な物語に胸が躍る!

No.七

探偵局は7人以上いるらしい。次回予告で優子が「八」バッジを渡されていたので、多分7人。

おじいちゃん

おじいちゃんの形見のメガネを渡されるシーン。階段にまでつまれる大量の本が印象的だけど、背表紙を良く読むと『意識の信号化について』『電脳物質』とあり、優子の祖父が電脳システムの開発に深く関わっていた事が示唆される。っていうか、電助はおじいちゃんなのでは…?『孫が来る前にぽっくり死んだ』って言うし。

電脳メガネディティー

電脳メガネの末端部分のディティールが見える唯一のカット。LEDが点滅してます。電子部品はテンプルに入ってるんですね。音声は骨振動スピーカーかな。

大黒建設

このアニメは街がすごく目立ってるんだけど、特に建築中の建物が多いです。中でも一番気になるのは、この建築中の新駅ビル。
「新生駅ビル/近日オープン/大黒建設/ダイコック」ええ。近日オープンというからには近日オープンするんでしょう。3話くらいで再登場しそうな予感!そんでもっと気になるのが『大黒建設』。大黒市空間管理室との繋がりがありそう!

左ハンドル

でカメラチルトして今回このカットだけ登場のおばあちゃん&カー。よくみるとこの車、左ハンドルです。こんなところから、小此木家(母方っぽいから小此木じゃないかもだけど)の裕福さが伝わってきたりなんかします。

オレンジ色のコーヒー

これは間違っても伏線じゃなさそうだけど、なんかインパクトのある文言。『オレンジ色のコーヒー』。

調べてみたらコレだ。

「MIX」コーヒーに大爆笑しました。
一部の地域の人にしか通じねぇーよ、このネタ!!!
多分、多くの方は缶蹴りに使用されていたオレンジ色のコーヒーの元ネタ分からないのではないでしょうか。
あれは、千葉県と茨城県限定で売られている「MAXコーヒー」という激甘コーヒー。東京埼玉とかでは売ってないと思いますが、千葉のほとんどの自動販売機には必ずこのコーヒーが置いてあります。高校の自販機にもウジャウジャ居ました。あれが千葉茨木限定だと知らない県民も多いはず。それぐらいポピュラーなコーヒーです。茨城ではどれくらい浸透してるか知りませんが千葉では有名な飲み物。とは言っても私はあまりコーヒーが好きじゃない上に激甘なんぞ聞いたら飲む気が起きず未だに飲んだことがない非県民ですけど(笑)
千葉に遊びに来た際は是非チャレンジしてみて下さい(笑)

螺旋運命―SPIRAL DESTINY―旧館:今週のアニメ感想(3/25)

間違いない。これ描いた美術スタッフは千葉か茨城県民。(コンテ書いた監督は愛知出身なのでコンテ段階の指示は考えにくい)
追記:マックスコーヒーマックスコーヒー - Wikipedia

まとめ

第一話をじっくり観るだけでこんなに情報、というかヒントが詰まってるとは思わなかった(信憑性については捨て置く)。この記事を書いてて、なんだかエヴァを観ていた頃の感覚をちょっと思い出した。エヴァはものすごい情報量を、情報の洪水として表現していたけど、電脳コイルはそういったものを、それをまったく感じさせない演出に載せてきているというか。うん。演出家・磯光雄はやってくれるんじゃあないかと思った。

追記

ああ、なんかキーワードリンクが掛かるなと思ったらg:coilのキーワードが異常に充実してるw(id:PultraManさんご苦労様です)。ていうか、殆どの事は小説版で既出っぽいな。俺はノベライズ版未読なので、キーワードのほうは薄目で見ようと思いますw

電脳コイル〈1〉 (トクマ・ノベルズedge)

電脳コイル〈1〉 (トクマ・ノベルズedge)