小野マトペの業務日誌(アニメ制作してない篇)

はてなダイアリーの閉鎖をうけ、旧ブログ http://d.hatena.ne.jp/ono_matope/ から移行しました。続きは→ http://matope.hatenablog.com/

見知らぬ外人の似顔絵を描いて、それが売れた。

進路の決定時期が目前に迫り日々窒息しそうな毎日を送っている小野マトペです。気晴らしに買ったばかりのエヴァの原画集を読んでいたら無性に絵を描きたい衝動が沸いてきたので、今日野暮用で渋谷に行ったついでにスケッチブックとペンを買って、渋谷のハチ公前で通行人の素描をしてきました。
一度これやってみたかったんですよ。通行人スケッチ。実は俺は実物を前にした人物スケッチってちゃんとはやった事なくて(ていうかあんなもん美術の教育機関に所属してないとやる機会中々ないよね←言い訳)、今までは仕方なく、ポーズ集やFlickrの模写で我慢してたんだけど、やっぱり本物を描くのは写真と全然違うね。いや、知ってたけどさ。段違いに楽しいね。*1


クリックで拡大。ペン描きなのは俺のクセの迷い線を消してできるだけ少ない線で描くようにするため。自分は今まで動きのある一枚絵が描けないなー、と悩んでいたんだけど、動いてる実物を目の前にして描くと結構動きのある絵になった。実物素描スゲー!


で、30分くらい黙々と描いてたら、隣に座ってたドナルドの口真似が上手い黒人(ドナルド)と「Hi, I'm Mickey! You are Minny!」って隣の女の子を口説いてた白人(ミッキー)の二人組が「何描いてんの?」って話しかけてきた。(もちろん英語で)


ミッキー「Are you artist?」
マトペ「や、そういうわけじゃないけど」
ミッキー「こいつ(ドナルド)もアーティストなんだぜ」
俺「マジすか?」
ドナルド「ああ。オレはワイぁド・ライフをやってるんだ。」
俺「Wired life?」
ドナルド「Wild Life.」
俺「Ah, Wild Life!」(ワイルドライフって何だ!?)


ドナルド「Who is this? me?」
俺「あー、これはさっきまでそこにいた人」
ミッキー「つーかお前クソ上手いな(You're fuckin' genious)」
俺「あ、ありがとうw」


みたいな、コミュニケーション。ミッキーが俺の絵はMagazine Storyっぽいって言ってたけど、漫画的って事かな。そんな感じでミッキーにコーヒー貰ったりして話していたら、(予感が的中したんだけど)ドナルドが「Draw me!」って言って来た。…その、オレの落書き人生で一番回避したい要求なんだよね、似顔絵。俺似顔絵超苦手なんだけど。そもそも日常生活で人の顔をろくに見分けられない程度の観察力なので宣なるかななんだけど、しかも黒人の顔なんて!それにこれ水性ペンだよ、パーツの輪郭一回ミスったらどうにもならんよ!
で、「いや俺マジ似顔絵苦手で上手く行かないと思うけどゴメンね!」とか言いながら描いたのが下なんだけど、ほんとゴメンドナルド。君はもっとウホッいい男!だった。


そうこうしてるうちに彼らの友人らしい東南アジア系(シンガポール出身?)の男性がやってきて、「僕も描いてよ」と。彼はホリの深いモンゴロイドと俺の書き易いタイプで、正面に立ってくれた事も幸いして、結構上手く描けたんですよ。なんかますますドナルドには申し訳ないんだけど、俺プロじゃないし。で、そのモンゴロイドさんかなり喜んでくれて。"This is good picture!"とか。で、"I want this."と仰るのでページを破いて渡したところ、モンゴロイドさんがおもむろに財布を出して1000円札を俺にくれました。いや、驚いて、いやいやそんな結構ですよと…は英語力不足で言えなかったんですが(とっさの一言→"Really?")、いや、是非買わせろと。結局ありがたくお代を頂戴しました。


別れ際に名前を聞かれて、"You are good artist"と言われた。
うん。不思議な体験だった。少なくとも胸がジリジリするような息苦しさは取れた気がする。


追記:貰った千円は、前からちょっと気になってた英語の本を買うのに使いました。どんどん話すための瞬間英作文トレーニング (CD BOOK)

*1:授業中に斜め前の背中を落書きしたりするけど、動きが無いし