小野マトペの業務日誌(アニメ制作してない篇)

はてなダイアリーの閉鎖をうけ、旧ブログ http://d.hatena.ne.jp/ono_matope/ から移行しました。続きは→ http://matope.hatenablog.com/

それ楽天だけじゃないよ/ウェブAPIの自由度とコンテンツ

F's Garage:楽天Web1.0api
F's Garageさんが、楽天Web APIWeb1.0的でけしからんとおっしゃってるんですが、そんなこと無いっす。AWSも同じです。
Amazon Web サービス使用許諾条件

貴方はAmazon Webサービス並びにAmazonの知的財産のうち、以下に限って使用できます。

C.   リンクおよび転用
本項(第1条のC)はAlexaデータには適用されません。
1)  貴方は、(1)貴方のアプリケーション上またはアプリケーション内に表示されるAmazonの知的財産のそれぞれを(a)Amazonウェブサイトの商品詳細ページ、または(b)Amazonのホームページを含むAmazonウェブサイトの他のあらゆるページにリンクさせるか、(2)貴方のアプリケーションではこのリンクができない場合には、貴方の利用者に、Amazonの知的財産の使用に関連してAmazonウェブサイトを訪問するように別の方法を提供しなくてはなりません。
2)  貴方は、貴方のアプリケーション上またはアプリケーション内に表示されたAmazonの知的財産のいずれかを(a)Amazonウェブサイト以外のウェブサイトの商業用ページにリンクさせたり、または、(b)Amazonの知的財産に関連して、Amazonウェブサイト以外のウェブサイトの商業用ページにトラフィックを誘導してはなりません。
3)  貴方は、貴方のアプリケーション上またはアプリケーション内にあるAmazonの知的財産以外のコンテンツから競争業者、情報または他のウェブサイトにいかなるリンクでも持つことができます。

Web 2.0界隈で最も有名で、Web 2.0的なウェブAPIといったらAmazon Web Services(E-Commerce Service)で決まりだといっていいと思うんですが、そのAWSの規約にも、楽天とほとんど同じ内容の規約があります。っていうか楽天Amazonを参考にしたんですが。まあ、こんなもんです。はてブコメントで楽天を見下げてる人は他のAPIを使った事が無い人か、規約読んでない人かどっちかですね。
ただ、C-2のAmazon以外のサイトへの誘導の禁止、これ特に価格比較系で違反してるマッシュアップサービス結構見ますけど、サービスとして成功しているところならあんまり厳密にAmazonから警告されたりは無いみたいです。(Amazonの規約の執行の適当さは結構有名で、ほとんど同じ内容のサービスの片方がアフィリエイトを剥奪され、片方が公式ブログで紹介されるなどあったりします)


因みにGoogle APIの規約も、一日あたりのクエリが1000件(サービス全体で)と、マッシュアッププラットホームとして使えたもんじゃなくて、Yahoo!の方が全然使いやすかったりします。蛇足ですが、俺が知ってる範囲で勝手に考えているウェブAPIの自由度って

YouTube, Hatena,各種SBMAPI >>>>>>>> Yahoo!API, Amazon Web API, RAKUTEN WEB API,(Google Maps API) >>>>>>(越えられない壁) >>>>>> Google API

な感じなんですけど、これってそのままオリジナルコンテンツの保有量に比例してるんですよね。GoogleWeb 2.0の旗手として騒がれてはいますが、実際にコンテンツを持っている訳ではないので、むやみにウェブAPIを使わせる訳にもいかず、APIの供給という面では他社に遅れを取っています。こういう時に自社コンテンツの有無っていうのは響いてくるんですね。

なんとなく最初に感じたのは、まるでapiを使うサイトが楽天の子サイトのような囲われ方を求められるか?という恐怖です。その結果もたらされる閉塞感こそが1.0の世界観です。そのためのapiってのは、ただのビジネスパートナーに公開されているapiでしかありません。

ええ、全くその通りだと思います。そこがデータベースというサービスの根っこを他所に依存するマッシュアップの面白さであり、限界だと思います。逆に言えばウェブAPIを使ってマッシュアップをする時は、Amazon楽天のデータベースを使いながら、そこにない価値を創出する事を考えればいいという事ですが。(というサービスを作ってるところですが、まさに規約に足をすくわれて公開できない状況です、俺は。)


楽天がWeb 1.0だというところは同意しますが、それはこちらで指摘されている通り、ロングテイルを一元的に扱う(ASINコードのような)仕組みが無い事に関してですね。Web 2.0は膨大な量のコンテンツを、好きなように『取り出せる』ところが肝な訳ですから。


とまあ、ツッコみを入れつつ、自分が以前から考えていた事をまとめてみました。取りとめないですが。


追記:はてブコメントでツッコミもらったんでちょっと補足。
確かにF's Garageさんの、8−3に関する懸念は否定できませんね。

3の規約の「サイト上のウェブサービスを使用した部分」の解釈が曖昧であるということを、今日、他の人と話をしていて気がつきました。
「サイト上のウェブサービスを使用した部分」が、楽天の商品リンクを正しく貼れよという意味なら、特に不都合はないのかもしれませんが、「ウェブサービスを使用した部分」が画面全体のことを指していたら使えないわけです。

実際にこの規約がどのように運用されるか確かにわかんないですけど、規約が曖昧で運用も恣意的なのは上で述べたとおりAmazonも実態として同じな訳で、トラフィック関係の縛りが大きい事で前時代的だ、という論旨には違和感を覚えました。
というか、ウェブAPIの恩恵に授かるためにはそのくらいの隷属は当然とかって思ってしまう俺は卑屈ですか。それくらい価値のあるデータベースを解放してる訳ですし。ってあれ、趣旨がずれてしまった。蛇足々々。