押井守トークショー
…と、観終えてさて帰るか、と思ったところで、劇場側のアナウンスが。
『これより、立喰師列伝最終上映会トークショーを開始します。押井守監督、行定勲監督、石川光久社長、どうぞ!』
Σ(゚Д゚ )
キテヨカッター!突然始まったトークショー。道理で入場時にやたら人がいっぱい並んでたりアンケート渡されたりしたと思った。そして入ってくる生押井!生IGのIの人!行定監督の作品観た事ないけど!
ええと、非常に面白かったイベントですが、あいまいな記憶の中から断片を引き出して超訳しつつ書いてみようと思います。
- 映画はビー玉のようなもの。ただ見てるだけだと安いガラス玉にしか見えないが、太陽にかざしたり、水に入れたりすると綺麗に見える。いつまで観ててもビー玉は宝石にはならないんだけどさ。
- (行定監督の発言)何だかんだ云っても、結局観客は監督の納得したものを見たいわけで。
- (上を受けて)立喰師は自分のやりたい事をすごくやれた。たまにはこういう映画を作らないと、自分の映画への情熱が目減りしてしまう。ゴダールは毎回コレをやっているんだ。
- (石川社長の発言)うちも昨年末に上場なんかしちゃいましたけど、押井守に『立喰師公開したら株価下がるかも』といわれたんですが、アイジーを見くびらないで欲しい。『立喰師』は最初から事業計画に入ってませんから!(会場爆笑)
- (石川社長の発言)イノセンスを零号で観た時、押井守の賞味期限はあと5年だと思った。それで、立喰師を観た時は、あ、あと二年で賞味期限だと思った。どうか、期限が切れるまでに、賞味期限を延長してもらいたいなと。
- 僕は赤字は出してない筈なんだけど…。でもイノセンスはすこし石川に借りあるかな、と思ってる。でも、次の作品では、僕も楽しめて、観客にも楽しんでもらえる映画を撮ろうと思ってる。
- 今はテキパキ仕事をしたい気分で、次の作品は2年以内に公開できると思う。
- 次のは売れる気がするんだよね。僕の映画は大体10年ごとにヒットが出るんで、そろそろ売れる頃なんだよ。まあ、売れようと思っても、実際映画がどうなる訳でもないんだけどね。
ええと、だったらまず脚本を人に任せればいいと思います…!と思わず心の中でツッコんだ。でもこれは云い辛いですよね。ジョージ・ルーカスに『監督やるな。お前は製作総指揮だけやってろ』って云うようなもんだからねえ(少し違う)。っと思ってたら最後の質疑応答コーナーで
監督は最近は監督脚本をされているが、もう(以前の様に伊藤和典氏などと)組んで脚本を書かれる気は無いのでしょうか。
とコアな質問が!勇気あるな。それに対してはこんな感じ。
- 自分で脚本書くと印税2倍になるから…(会場笑)
- というのは冗談で、いや、ホントは僕みたいな監督には重要なんですけど、僕の犬達のためにも。
- 書いてくれる人がいれば頼むんですけどね。
- 僕も自分で脚本を書くことが良いとは思っていません。脚本を自分で書くと客観的になれませんから。監督は客観的であるべきなので。それは自分で分かっているんですよ。
- 自分で書いちゃうと早いんですよ。僕が書けば3週間で書けるから。
- 僕が伊藤君と仕事をする事はもうありません。
- 以前は熱海で隣同士で住んでて、気持ち悪いくらいだったんだけど、引っ越してからは会ってませんね。電話を一回したくらいで。事務連絡の。
- 彼は仕事があまりにも遅いから。彼に任せると半年経っても上がらない。だからもう彼に頼む事はありません。
- 次回作では、ある若手の女性の方と組んで脚本をやっています。
そ、それは期待できる!しかしどうやら伊藤氏とは喧嘩別れな感じだ。日本アニメ界、というか映像界の脚本力の弱さはここのところ深刻なので、ちょっと頑張って欲しい
追記。ブルーバックはストレスではないかと訊ねられた両監督