小野マトペの業務日誌(アニメ制作してない篇)

はてなダイアリーの閉鎖をうけ、旧ブログ http://d.hatena.ne.jp/ono_matope/ から移行しました。続きは→ http://matope.hatenablog.com/

宮崎吾朗の想像線。

さて次の企画は - ジブリ継承の正当性が問われはじめた? 宮崎吾朗「ゲド戦記」に巻き起こる暗雲
虚馬ダイアリー - フィクションを粗末にするやつなんか大嫌いだ。
先日、友人とメッセしていたら、『押井守嫌い』と言われた。『俺はイノセンスだろうと構わず面白いと思っちまう人間なんだぜ?』と返しつつ*1話を聞いてると、なんと彼は押井守を観た事がなかった事が判明して言葉を失った。何で観てないくせに語れるのか、語れると思うのか。『世間は確実につまらないと言っているから』だってよ。ファック!腐れ!まあ世間的には単なる食わず嫌いというだけの話ナンだけども(上に挙げたエントリのうち、俺の立場は猛烈に後者です。)。そんな訳で著しく試写評判の悪いゲド戦記ですが、観てないくせにどうこう言う輩にはガツンガツン行きますんで皆様宜しくお願いします。しかしそんな前評判に惑わされない男*2であるところのオレも、実はゲド戦記に関して一つだけ不安な点があります。


痛いニュース(ノ∀`):【ジブリ崩壊】ゲド戦記が不評【日本アニメ沈没】
いえ、ヤフー!映画のレビューなんか不安要素じゃないんですが、このスレの23の画像、『初仕事・驚きの絵コンテ』と題された読売新聞のキャプが本当に驚きの絵コンテな件。問題はコンテ右列。592〜596。



イマジナリーライン越えてね?


イマジナリーラインというのは、画面上の人物を仮想的に直線で結んで、カメラはその線を飛び越えちゃいけません、という演出上のルールで、オレの知る限り演出のイロハのイなんだけど、これは一コマ目から三コマ目で思いっきり飛び越えている。飛び越えているように見える。まさか吾朗イマジナリーライン知らない?(あるいはコレがピクサー方式って奴だろうか。(キャプ記事参照))
いやいやまさかだ。たとえ知らなかったとしても周囲はプロだ。それくらい指摘するだろう。きっとこのウサギ登場のカットは物語上大きな意味を持っており、想像線を敢えて越えることで違和感を暗示させる高等テク、いわゆる『どんでん』なんだ。(参照:幻視球: 『涼宮ハルヒの憂鬱』#12、違和感の演出)



…まさに初仕事とは思えない驚きの絵コンテなんだぜ?
(小野マトペは公開まではゲド戦記を応援します)


追記:想定線 - Wikipediaによると、違うカットを挟めばイマジナリラインは越えられるらしい。この場合はどうなんだろ。アリなのかな。

*1:立喰蕎麦師列伝だろうと、とは流石に言えなかった

*2:マジレスすると非常に怪しい