天空の動く城のハウル
『時をかける少女』公開記念に『ハウルの動く城』がやってましたね。(絶対違う)*1
最後の怒涛のデウス・エクス・マキナ*2は宮崎駿の戦闘放棄であり、闘争という暗雲立ち込める煩雑な地上を離れ青空に消え行くハウル城は、ジブリの後継者になるはずであった細田守に逃げられて後継者育成に完全に失敗した宮崎駿の、諦め故の戦線離脱宣言なのではないだろうか。
あのラストカットから「駿は行っちまったのさ、それこそ均一なるマトリクスの向こう側へな…」とか、もう劇場長編映画は二度と作らないんじゃないだろうかとか、象牙の塔と揶揄された『スタジオジブリ』を出家し、空とぶハウル城たる『ジブリ美術館』でアーチスチックな短編作品を細々と作る余生を送る、つまり、宮崎駿の巨匠化、あるいは仙人化とか、そういう予感を感じ取れてしまうのは俺だけだろうか。
ソフィーが城を壊したり戻したりする辺りから映画についていけなくなる人は俺を初めとして沢山いると思うんだけど、それすらも戦略で、ラスト二分、「実は私は隣の国の王子様だったのです」からの超絶風呂敷クロージングで( ゚д゚)ポカーンとするための伏線だったのではとすら思う今日この頃。いかがお過ごしでしょうか。
という趣旨のエントリーを書こうと頑張ってたんだけど、何度書いてもまとまらない。やっぱちゃんともう一度観ないとな。
リュシータ王女「人は大地を離れては生きられません!」ほうほう、つまり駿は死んだと。ムスカだったと。そんな訳で俺は『ハウルの動く城』は20年という時間の残酷さに思いを馳せつつ、変節、「巨匠になった宮崎駿」を(ニヤニヤ*3 )眺めるのが正しいのかなと思ってます。
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