小野マトペの業務日誌(アニメ制作してない篇)

はてなダイアリーの閉鎖をうけ、旧ブログ http://d.hatena.ne.jp/ono_matope/ から移行しました。続きは→ http://matope.hatenablog.com/

開演二時間前俺緊急出動

三日の日は、芝居の開演が二時だったので、まあ客としてゆっくり一時頃出発すればいいかな〜、と十二時頃もぞもぞと起き出していたのだけど、その時朝から現場に入っていた親父から電話が。
『データが再生できない!』、と。
最初に説明しておくと、ウチの芝居は、背景の投影システムにiBook+Keynoteを応用して、静止画や動画の背景を投影しているんですね。で、問題って云うのは、昨日レンダリングした第1カット目のムービーが、Keynote上で再生出来ないという物。QuickTimePlayer上では正常に再生できるのが、何故かKeynoteに乗せるとPCがフリーズするという。このままでは冒頭のカットを、テスト用のみっともないムービーに差し替えという事態に。いやもう、一気に目が醒めましたよ。醒めるって云うか、脳が8,200rpmで回転してアドレナリンが放出しました。
現場からの報告では、再出力か、データ転送の段階かでファイルそのものに傷が付いた可能性があるとのこと。運のよいことに俺は前日、作業データを自分のポータブルHDDにバックアップしていた*1のだが、俺のPCは壊れていて、このHDDに入っているのがどのデータか確認できない。エラーの原因によっては俺がこのHDDを持っていっても事態は解決せず、やはりテスト映像を流さざるを得なくなる。とにかく俺は親父に、QuickTime Proの編集/保存機能で該当ムービーを再出力するよう指示*2し、飯も食わずに速攻で服を着てバックアップデータを携え電車に飛び乗ったのです。
俺、横浜で相鉄線に乗り換え、一時過ぎに劇場到着。ていうか初めて楽屋に入りました。楽屋では、QuickTime Proで出力しなおしたデータを再生している所だった。出力されたこのムービーは、8割方再生したところで突然最終フレームまでコマ飛びが発生してしまう。フリーズするよりマトモなものの、これでは舞台には掛けられない。早速俺のHDDを繋げ、ともかくアップロードしてテスト。
20秒…40秒…、1分弱のムービーデータは止まることなく最後まで無事再生された。こうして開演40分前に事態は収束したのでした。客席で芝居を観てても、最初のカットはいつ投影システムがフリーズするかと、生きた心地がしなかった。無事次のカットにつながったときは本当にホッとしましたよ。ええ。本当に。
緊急の連絡をもらったとき、ちょっぴりワクワクしていたのは秘密です。

*1:しばらく自宅でデータをいじることはないので、別にバックアップはしなくていいかなと迷ったが、念のため移しておいた

*2:傷の付いたファイルも、再エンコードすれば傷が塞がるかもと云う計算