小野マトペの業務日誌(アニメ制作してない篇)

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アイアン・ジャイアントを観た

Mr.インクレディブル公開当時の映画雑誌で、監督のブラッド・バードつながりで絶賛されていたので借りる。「あのアイアン・ジャイアント」っていわれてるんだもん。それまでは鉄人じゃん、くらいのに認識しかなかったから。
面白かったです。ジュブナイルとして燃えるし。愛とアイデアが溢れてます。確かにインクレディブルだな。男の子ゴコロのくすぐり方が。ソ連崩壊前のお話で主人公の部屋にある侵略SFのタイトルが「赤い脅威」、みたいなブラックジョークも含めて。それはいいとして。演出がスゲーうまいな。映画学校で習いそうな感情の暗示の仕方とか。巨大さの表現とか、鉄人初登場シーンの、背景とズームを使った演出は白眉でした。悪役も憎めない、というかむしろ共感できるのもインクレディブル的というか。騒ぎを起こして軍を除籍された悪役が、念願叶って上司の司令官に鉄人の存在を示せた時は、主人公的にはピンチな訳だけど「よかったね」と心から思ってしまった。
そういえば現代モノのカートゥーン映画って今までリロ・アンド・スティッチしか観たことなかったな。…あれはクソだったなあ。まったく。どうでもいいけど、劇中漫画の悪役の名前がATOMOだったり、最期が日本の原子力ロボットとほぼ同じだったりするのは突っ込みどころなんでしょうかね。
CG的には、冒頭のトゥーンシェーデッドな波の表現がよく出来てた。多分波頭が崩れるところは手書きが合成してあるんだろうけど、一回見ただけじゃそれに気付かなかったし。他、動くメカは殆どCGなんだけど、フルアニメだからできることだよなー。でも飛行のシークエンス(vs戦闘機)の爽快感は今ひとつでした。
しかし、こうやってみるとアメリカのアニメって健康的だよなー。なんていうか日本アニメの、トミノ氏いうところの内向性がないというか、暗いパーソナリティが無いというか、ああ、ハリウッド映画なのか。そりゃそうだ。