小野マトペの業務日誌(アニメ制作してない篇)

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タマグラアニメ博

雲のむこう〜の後、id:takeshito:20041122#p1さんのトコロで紹介されていたタマグラアニメ展inザムザ阿佐ヶ谷に行ってきました。親友のタマグラ生Orangeと観に行ったのだけれど、タマグラでは2年生から課題でアニメ制作が必修らしい関係で彼の同級生も多数来ていて、本人嫌がってました。ザムザ、というかラピュタ阿佐ヶ谷行くのは二度目。去年の「世界と日本のアニメーション ベストオブベスト」以来。前回と同様、滅茶苦茶疲れました。アートアニメ一日中観続けるなんて、そんなの苦行に他ならない訳ですよ。学生作品故に当然玉石混交なので、世界の巨匠達の極致を見せられるのとはまた別の辛さが…。
とはいえ皆さんスゴイですね。流石美大生。出来て当然なところは当然出来てる。絵の巧さも、アート的な面も。「電車かもしれない」の近藤聡乃サンは、なんだかイメージ通りの人だった。「LOOP POOL」の完成度は凄かったなあ。Orangeは、徹底的な完成度を実現するには「音響」だ!と何か掴んでましたが。
タイトル見た時点で気になってたのは「DIMENTIONAL ESCAPE」。麻薬の売人が実写→人間のコマ撮り→3DCG→2Dアニメの4世界で繰り広げる逃走劇。色々な表現をごちゃ混ぜにしちゃえ!てトコロが好き。エンタメだし。コマ撮りパートが一番面白かったな。驚きがあったし。実写をコマ撮りして人間が空中浮遊したり、大ジャンプしたり、手間掛かってるなー。…というよりも、役者の芝居が恥ずかしかったり(→それを考慮した演出を考えていないから。)、脚本が無理やりだったり、最後の最後でチョイ役で作者が出てきたりする所に非常にシンパシーを感じました。というか、もうシンクロニシティー。一方的に。でも演技に関して、二度目以降そんなに気にならなくなるのは何故だろう。
今回の注目株は「MIND THE GAP」藤田純平氏と「鬼」細川晋氏と、「HAPPY BOGGYS」クリハラタカシ氏だった。藤田氏はアニメ的な巧さが群を抜いてる。エフェクトとかも巧い。卒業制作は30分の大作で、予告編が壮絶!ノルシュテインの「ケルヅェネツの戦い」みたいだった。アレは完成したら是非とも見たい。細川晋氏の「鬼」の上映会は、体力持たなかったので退場していて観なかったですが、トークショー時に部分上映があり、観なかった事をかなり後悔。クレイアニメなんだけど、いや〜、スゴイ。なんてったって雨降ってるんだもん。雨が皮膚を伝うんだもん。そりゃ川本喜八郎氏の弟子にもなりますよ。クリハラタカシ氏は、アニメ博のイラストもやってる人。というか今度海外で本を出すらしく、それの表紙なんだとか。見ての通り可愛いキャラクター達なのだけれど、「HAPPY BOGGYS」シリーズの可笑しさはもう、素晴らしい!シンプルでヘンテコなキャラクターが登場して、謎の言葉を発して、退場する、というだけの展開の繰り返しなのだけれど、コレが面白い!ヘンな形の物体に、思いがけない形で顔が現れて、発想不可能な手段で退場していく。コレだけでもう会場は爆笑ですよ。天才だ!萌え!
他にも、各上映の合間に流れる15秒ほどのキャッチアニメを学生が作っているんだけど、こっちも傑作揃いでした。うむ。おなか一杯。