webサービスとカーニバル。
巨大人脈SNSのチカラ (朝日新書)
を軽く読んだので忘れないうちにビボーロク。
この本を読んだときの感覚、何かに似てるなと思ったら、ちょっと前に読んだグーグル・アマゾン化する社会 (光文社新書)に似てるんだ。
まず文章が不味いこと。基本的な日本語が所々あやしかったり、いちいち文章が寒い。例えば…
実際のところ、犬や猫などの動物をメインにしたSNSもあるくらいだ。とはいえ、さすがに犬がいくら賢くとも、キーボードを押すのは難しいから、利用者はあくまでも「愛犬家(註1)」という立ち居地になる。
(註1:ネット愛好者の中では犬より猫派の方が多いような気がする。なぜか?)
終始こんな感じで、文体が拙く説得力が無いので、若造が俺セカイで語っちゃってる感が濃厚。いや、そのとおりなんだけど*1。それは別に悪いことじゃないけど。
あと内容が薄い点。両書に共通してる感触は、飛行機に乗ったら全然離陸しないで滑走路を回り続けて、最終章付近でやっとちょっとだけ離陸したと思ったら、20分も立たずにフライト終了、みたいな不足感。
ていうかブログで書けと。いや、ホント、これどっちも最終章だけどっかのブログで読めば事足りるんですよ。『巨大人脈』の方はまだ著者による取材(各種SNSのレポート。まあ大抵が匿名の『友人』の話なんだけど)があるから読めるんだけど、『グーグル・アマゾン化する社会』の方は酷かった。取材全く無し、情報のソースは『ウェブ進化論』と『フラット化する社会』とCNetで、論旨自体も全ていつかどこかのブログで読んだものの範囲内で…ってこっちのは別にいいんだ。
うーん、まあ、国内外のSNSカタログとしての価値はあるかなあ。最近mixiが始めた、ドラマの登場人物とマイミクになれるって企画はFriendsterがとっくにやってたとか、そういうデータ的な部分から視野を得るような収穫はあったかも。でも、冒頭で提出される『なぜ日本ではmixiが一人勝ちなのか』といった問いへの答えを
の相乗効果であるとしているのだけど…どうなんだろう。ピンと来ないなあ。
思うに、初期のはてなにあったようなユーザーとサービスとの間の熱狂がmixiにも確かにあって、それがブレイクの原動力であったんだろうなとは想像できる。強いて言えばそれだけだったのかもしれない。それは運動であり思想でありムーブメントであったんだろうと。多分あの頃は、もっと未来に希望が満ちていたんだろうなと、しょせん俺ははてなもmixiも学生運動も、そのカーニバルには遅れてしまった人間なので、そう想像するしかないです。…とまあ、最近そんな事を考えてます。(←就活ブルー)(←そんな締めか)
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思想をコード化してくれよと。
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*1:著者は26歳