小野マトペの業務日誌(アニメ制作してない篇)

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本当に怖いのは他の子供による『代理決行』じゃないの?

 初中局の幹部はつぶやいた。「われわれの対応が諸刃の剣であることは、初めから認識していた。自殺を思い直してくれればそれで良い。逆に面白がって便乗する者も出てくるかもしれないが、どちらかわからない以上、最悪を想定して最善を尽くす。国民も分かっているんじゃないか」
Sankei Web > 社会 > 「劇場型自殺予告」過去にも 連鎖は覚悟の文科省対応(11/10 02:07)

なんか世間を見てると、あの予告が本物であるかいたずらであるか、差出人が自殺するのか否かがポイントみたいになってるけど、どうにも、『他のいじめられっ子予備軍があの手紙を読んだときどう思うか』という視点が欠けてるような。
俺が最初にこのニュースに触れたときにまず思ったのは、この手紙のせいで何人が自殺するんだろう、という心配。


だってさ、全国を震わすセンセーショナルな大劇場が出現して、幕は上がり、スポットライトは照らされてるのに、ステージに主役は出てこないこの状況。もし俺が自殺を考えている児童生徒なら、自分が主役になってしまおうかという誘惑はかなり大きいでしょ。
というか俺には、あの手紙がそれを狙ってると思えて仕方がない。いじめ描写の具体性の無さもそうだ。死を以って復讐を果たすならば、そのいじめ描写は、とことんまで写実するはずだ。それが、パンツを降ろされた程度の事しか書かれていない。敢えてディティールを省略して、誰もが差出人になれる余地をわざと残しているように見える。非常に悪質、だと俺は思っている。
文科省がこの手紙を全国に公表した時点で、『代理決行』を完全に防ぐ手段は、差出人の特定・保護しかありえない。その特定が出来ないのなら、公表すべきではなかったと思う)

「言葉では知っていても実際に目の当たりにするまでは信じられなかった。オリジナルの不在がオリジナル無きコピーを作り出してしまうなんてね。あなただったらあの現象をなんて名づけますか」
 「STAND ALONE COMPLEX」

もし差出人が本当にいじめられている子供だったとしても。彼が本当に『自ら助くる者』であるのならば、一刻も早くここに電話しろと言いたい。


彼がやっているのは全国のいじめられっ子を道連れにする可能性を孕んだ殺人予告であり、それ以上でも以下でもない。…という態度が必要だと思うんだけど、つかもう予告時刻は過ぎてる訳ですが。学校は厳戒体制だし、どうすんだろうね。


追記:というわけで俺は都知事の意見に割と賛成なのだけど、評判悪いね。

「あんなものは大人の文章だ。理路整然としていて、私は違うと思う」と述べ、大人によるいたずらの可能性が高いとの見方を示した。
自殺予告:大人によるいたずらの可能性?石原知事が見解−今日の話題:MSN毎日インタラクティブ

# 2006年11月11日 nkoz nkoz 真偽の決め手がないのにいたずらというべきではない。人の家庭の事情と自分の家庭の事情は一緒と思わない方がいい。
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真贋の決め手が無いなら本物だというべきでは無いでしょう。