小野マトペの業務日誌(アニメ制作してない篇)

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なぜふぁぼったーは英語圏で負けたのか

前口上

今年の7月にリリースされてから、早々に公式サイドバー広告入りするなど英語圏で圧倒的な人気を集めるfavstar.fm。ふぁぼったーは2008年の1月から英語版サービスを展開していたにもかかわらず、なぜ英語圏の制空権を得られなかったのか。たまたま見つけた海外のふぁぼったーユーザーに Twitterで直接インタビューしてみた。

インタビューに答えてくれたのはjoshsharpさん、メルボルンのWeb開発者らしい。


Togetter(トゥギャッター) - まとめ「なぜふぁぼったーは英語圏で負けたのか(インタビュー原文)」


やりとりはとぅぎゃったーにまとめたので、簡単な和訳を記します。

インタビュー

―― こんにちは、私はふぁぼったーの開発者です。海外の方の意見が知りたいので、ふぁぼったーとFavstarについて質問していいですか?
joshsharp: いいですよ、お役に立てれば。 :)
―― ありがとうございます! ふぁぼったーは英語圏に向けたWebサービスとして、Favstarと比較して何が足りないと思いますか? *1
joshsharp: 僕はふぁぼったーが大好きだよ。Favstarはほんの少し綺麗で、時々favを素早くクロールするけど、でもそれだけだね!僕はふぁぼったーの方が好き。
―― ありがとう!デザインとクロール速度は大切ですね。

サイトデザイン、というかより本質的にはフォントいじりについてどう思うか聞いてみた。あれは完全にテキストサイト文化なので、外国人に面白さが伝わるか疑問だったので。

―― 日本人として、僕はふぁぼったーのフォント表現をポップだと感じるんですけど、あなたはどう思いますか?フォントをモノクロに直すべきかなと思ってるんだけど。
joshsharp: いや、フォントや色は既にグッドだよ。
―― ふむふむ。安心しました。

外人的にもフォントいじりはオッケーらしい。これは収穫。あまりダラダラ質問しても悪いので、再びストレートを投げてみた。

―― じゃあ、正直なところ、なぜFavstarはfavotterと違って英語圏でウケたと思いますか?
joshsharp: 正直、多分デフォルトの日本語テキストがちょっとだけユーザーをビビらせたと思う。あと、サブドメインじゃなくて専用のドメイン名を持つべき。それと、あなたがイングリッシュスピーカーで、既にその一部になっていないのであれば、巨大な'西洋の'サイトの間で人気を得るのは難しいね。それは理にかなっていて、自明な事だ。

もうなんか、これに尽きるというような意見が出てきた。英語のできないやつは世界のWebサービスで通用しませんよって当たり前か。当たり前なんだけど、動く現物があればなんとか分かってくれるだろうとタカをくくっていたようなところがある。甘かった。あれだ。悪しき日本人の「いいものを作れば売れる」幻想
言語の壁は情報の壁である以上にユーザーにとって心理的な、いわば空気の壁でもあって、空気の壁を感じさせたらユーザーは敬遠する。相手の文化圏の空気が分からなくては、ユーザーに受け入れられる筈もないと感じた。ふぁぼったーは英語インターネットの空気が分からなかったのでfavstarに負けたんだ。
とはいえ、まあ空気なんてわかんないので、当面取りうる対策としては、「サイト上の英語をちゃんとする。日本語を完全に排除する」。その上で機能性を向上させれパブを強化すれば、まだ機はあると思う。

――なるほど、わかった。ふぁぼったーに最も足りないのは、1. ネイティブで自然な英語のサポート、2. ドメインというわけですね。
joshsharp: その通り。あと、多分宣伝してくれる誰か英語を話す人。
――ああ、宣伝は大切ですね。次バージョンのリリース時にはTechCrunchあたりの英語メディアにプレスリリースを送りたいと思ってます。
joshsharp: techcrunchはいいアイデアだね.
――OK、急なお願いなのに難しい質問に答えてくれてありがとう。とても参考にになりました、がんばります
joshsharp: いや、役に立てたようでよかったよ。

いや、本当にためになりました。英語の勉強しよう!!

*1:いきなりダイレクトな聞き方になってしまった…